「ワンプライス居酒屋」が大繁盛するカラクリ

デフレの出口が見えてこない。元気があるのは低価格で勝負する企業群だが、不景気だから安いものが支持される、ということで片付けていいのか。
「ワンプライス居酒屋」の儲けの仕組みの一例
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「ワンプライス居酒屋」の儲けの仕組みの一例

ユニクロは次々とヒットアイテムを生み出し、完売するアイテムも少なくない。安くて高品質というから怖いものなしだが、高品質のものを安く提供できるのは、「合理的経済人にいい情報が集まる」という経済原則が働いているからにほかならない。

つまりユニクロには、生地や生産技術など、トップクラスの情報がどんどん入る。コストを抑えた製品を供給するのには効率的な体制を構築する必要があり、そのための選択肢が豊富に揃っているのだ。その結果、「多売が見込めることで、より有利な条件で取引ができ、魅力のある商品を次々と打ち出せる」という好循環が構築されている。

また品質に対する認識が変化した影響もあるだろう。

私はファッションにはほとんど興味がないが、女性もの、男性ものを問わず、ファッションには流行がある。お洒落を意識するなら、同じ服を何年も着るわけにはいかず、シーズンごとに服を買い替えることになる。そうなれば高い服を買うことは難しいし、何より、1〜2年着るだけの服に5年間もの着用に耐える品質はいらない、ということになる。「安かろう、悪かろう」では困るが、「安くて品質はまあまあ」なら合格。もはや、「高くてもいいもの」の必要性は高くないのである。

http://president.jp.reuters.com/article/2010/04/22/5DE39DF0-45FF-11DF-B2C1-01C13E99CD51.php